本日も感想文

読んだこと、観たこと、聴いたことの覚え書き

嘘を愛する女 (2018)

CMで見るたびに、高橋一生さんが気になって気になって遂に観に行ってきました。「嘘を愛する女」レディースデイなのもありますが、高橋一生さん目当て(もちろん自分含む)であろう女性ばかりでございました。でもそうなっちゃうよね。長澤まさみちゃんもかわいいけど。

 

ざっくりなあらすじ

世話好きな研究医の恋人・小出桔平(高橋一生)と5年にわたって同居している食品メーカー勤務の川原由加利(長澤まさみ)。ある日、桔平がくも膜下出血で倒れて寝たきりになってしまう。さらに彼の運転免許証、医師免許証が偽造されたもので、名前も職業もうそだったことが判明。彼女は探偵の海原匠(吉田鋼太郎)と助手キム(DAIGO)に桔平の素性調査を依頼する。そして桔平が執筆中だった小説が見つかり、そこから瀬戸内のどこかに桔平の故郷があることを知る由加利だったが……。

 

 

超個人的感想

人によって好みが分かれる映画だろうなと思いました。私はこういうテンポの映画が好きなんですが、苦手な人は「何がおもしろいの?」になりそう。最初に結構な事件が起きたわりに、その後の展開が遅く、テンポもよくない。予告を見て「ミステリー!」と思った人は特にそう感じるかと。映画は事件があって展開が早くて、ドキドキハラハラがあってなんぼ、という方には非常につまらない展開なのでは?と思います。

だけど、私は好きなんですよね。目が回るような展開もないし、事件に事件が重なるミステリー!でもない。5年も一緒に暮らした男の全てが嘘だったと知った主人公が、ひとつひとつ彼の真実を探す旅の記録のような物語。判明した事実に一喜一憂したり、仕事とのバランスが取れなくて失敗したり。何度も彼との日々を思い出して、苦しくなったり切なくなったり、やっぱり好きだと思ったり。真実が判明しそうになると、怖くなって逃げようとしたり。派手な演出や事件はなくても、そういう小さな心の機微を小さなエピソードを重ねて見せてくれるのは素晴らしかったと思います。丁寧に表現されていた心情の移り変わりが、最後に判明する事実で大きなうねりになって、長澤まさみちゃんの涙に変わったところは見事でした。

それから嘘をついていた時の、二人が暮らしている家と、高橋一生さんの佇まいがとても素敵でした。嘘をつく前と、嘘をついた後。住んでいる家や服装も、嘘の前後では大きく変わっているんですよね。嘘をつく前には、スーツをビシッと決めて、家は田舎の一軒家。嘘をついた後には、ラフな格好で、スーツを着てもなんだかしっくり来ない、だけど都会のおしゃれなマンション。どちらも素敵でしたが、どちらが幸せそうかというと、嘘をついている時=長澤まさみちゃんといる時のほうが、私には幸せに見えました。

展開が遅い分、物語と直接関係ない部分の描写も多いです。その関係ない、ある意味余計とも思える部分があるからこそ、登場人物の感情に寄り添える、叙情的な作品になったんだと思います。「嘘」や「愛」ってなんだろう、とすごく深く考えさせられました。最後の最後にタイトルの意味がものすごく伝わって来る、本当にいい作品だなあと思います。

 

出番は少ないけど、高橋一生バンザイ

最初からくも膜下出血で倒れてしまうので、高橋一生さんの出番はほぼ回想シーンと声です。思ったよりも少ない!と気がついたのは、映画が全て終わった後で、出番が少ないことに全然違和感を感じないほどでした。なぜなら回想の中に出てくる高橋一生さんがどれもこれも素晴らしいからです!!!!高橋一生さんと長澤まさみちゃんの、携帯電話会社のCMがありましたが、あれを彷彿とさせます。あのCM、本当に良かったですよねえ。あれも映画にしたらいいのに。

鍋を洗う長袖をまくった腕。買い物袋を下げた後ろ姿。靴を貸した後の靴下。酔っ払って帰ってきたところを抱えて運んでくれる笑顔。ご飯を食べる時の指。どれを取っても本当に素晴らしいです。高橋一生さんと結婚したらこんな風なんですね!と思えるだけでも幸せ。

そしてラブシーン。いいです。声もいいです。もうなんだっていいです。一押しは、風邪を引いたという高橋一生さんに、何枚もブランケットを頭から被せ、泊まっていったらいいという長澤まさみちゃんとのやり取りです。二人の幸せなシーンは、明るい部屋の中なんですよね。喧嘩をしたり、反発したりする時は夜。気持ちを演技や台詞だけでなく、そう言った描写で表現するのも好きです。 

 

個人的満足度★★★★☆

サスペンスかな?と思って観に行ったのですが、期待をいい意味で裏切られました。すごくいい映画でした。だけど星4つなのは、ほぼ出てこない「嘘をついた男」の気持ちがもっと知りたかったから。それが丁寧に描かれていたら、星5つです。

さらに予告と本編のギャップがありすぎたのも残念でした。サスペンス風なのはあくまでオプションみたいなもので、もっと感情を丁寧に描いている映画であることを宣伝した方が、期待との落差がなくなるんじゃないかなと思います。だけどそれだと動員数が減るんでしょうか。私は好きでしたけど、周りには結構寝てしまって、船を漕いでいる人が多かったので気の毒でした。でも、展開が遅くても大事件がなくても、心情が伝わる映画は好き!という方にはオススメです。