本日も感想文

読んだこと、観たこと、聴いたことの覚え書き

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと  西原理恵子

すごく噂になっていたこの本。西原さんの本を読んだ事はなかったのですが、友達に勧められたこともあり、購入してみました。帯にもたくさんの芸能人からコメントがあって、本当に話題の本なんだなあと思いました。

 

ざっくりなあらすじ

  • 私が女の子だった頃
  • 母と娘のガチバトル
  • スタート地点に立つために、できること
  • 夢見る娘とお金のハナシ
  • かあさんの子育て卒業宣言
  • 巣立ちのとき
  • 女の子が生きていくときに、覚えていてほしい5つのこと
  • 女の子たちの「エクソダス

 

個人的感想

娘さんの反抗期については、このご家庭特有のものもあると思うので、一概に反抗期と片付けていいのかとも思いましたが、それを差し引いても、めちゃくちゃ響きました。自分が若かった頃、自分の親への気持ち、子供への気持ち。年代を経たからこそ分かる著者の人生の軌跡が、本の中にたっぷり詰まっています。子供がすぐに大きくなってしまうことへの驚きと、昔もっと子供を抱っこしてあげればよかったという小さな後悔。だけどきっとそれはどんな親でも同じことを考えるだろうと思います。子育て中は忙しくて、時間にも心にも余裕がない。しかも働いているお母さんならなおさらです。そんなときに、部屋の掃除やら洗濯やらご飯の用意やらと、子供の「抱っこしてー」を両立するのはどんなに大変か。それを思い返しながら、もっと抱きしめてあげれば良かった、だけど子育て楽しかったと呟く母親の気持ちは、子育てを経験した人は、皆少なからず感じるものではないでしょうか。

そして何よりも、女の子というか女の人へのメッセージが、重くて響きます。転んだ時の立ち上がり方が大切、というのがこの人らしい。「女の子こそ生きていくための戦略を立ててください」確かにその通りなんです。嫁に行くとしても、軍資金をもたせてあげてと親御さんに言っているのもとても印象的でした。結婚したからって幸せになれるわけじゃない。離婚の可能性だってあるし、相手が働けなくなる可能性だってあるし、暴力を振るわれる可能性もある。そのときに逃げる軍資金を、というのは苦労した人だからこそ言える事だと思います。

さらに、もし暴力を受けたら逃げるのはもちろん、一緒にいるのがつらいのなら、たとえ殴られていなくても「それは暴力」という言葉にハッとしました。仕事や友達の事を中傷されたり、人格を否定されたり、両親を馬鹿にされたり、理不尽だと感じたらそれは「暴力」だと。そう思ったら逃げる。逃げて冷静になって考える。それが大事だと説くのは、本当に幸せだけで生きてきた人には言えない言葉だと思います。「逃げていいんだ」と知っているのと、知っていないのでは大違い。実際にそういう事があるかないかは別として、知識としてあるのは本当に大切だと思います。だって知らなかったら、むしろ「幸せに違いない」なんてタカをくくってたら、最悪なことが起きたときに初動が遅れるだけじゃなく、本当に必要な行動も取れなくなってしまう。だから「何か起こる前提」で考えるとかおかしいよー、ではなく、知識として持っておく必要があると思います。だって「一瞬先は闇」誰だって未来は分からないんだから。

そして、きちんと自分で稼ぐことをしっかり伝えているのが本当に素晴らしいと思います。結婚か仕事かだったらどっちも取る。子育てか仕事かでもどっちも取る。大変だし死にそうに苦しい事もあると思うけど、それでも両立を勧めるのは、生きていくために重要な事だから。何も起きないかもしれないけど、何か起きるかもしれない。可能性は五分五分。何もない平凡な幸せに賭けて、稼がない道を選ぶのはリスクが大きい。だからこそ自分で稼いで、お寿司も指輪も自分で買いなさいと。「どんな時でも、次の一手は、自分で考えて、自分で選ぶ。王子様を待たないで。幸せは、自分で取りに行ってください」が本当に愛のあるステキな言葉だなあと思いました。

最後に、私が泣いてしまったのはこの一節「あなたの人格を否定していい人なんて、いない」。そうだよね、否定していい人なんていないんです。それなのにその渦中にいると気が付けなかったりする。言葉にされて初めて、ハッとしたりするんです。もしその真っ只中にいたとしても、この言葉を思い出してくれたら、少しは違う見方ができるのではないかと思います。本当に、女の子に覚えていてほしいこと満載の本だと思います。

 

個人的満足度★★★★★

女の子にも読んで欲しいけど、昔女の子だった人にも、お母さんにも読んで欲しい本です。グレていた人でしょ?とか、特殊な家庭の話だから反抗期の捉え方違うんじゃ?とか、男が暴力振るったりする事前提?とか、いろいろ思うことがあったりもしますが、そんなことは全部気にならないぐらいに深い本でした。自分の明日だってどうなるかは分からない不確定なものなのに、相手の将来が読めるはずもない。男を見る目を養っても、どんなにいい人を捕まえたと思っても、変わるのなんて一瞬だったりします。事故があったり、天変地異があったり、これから起こる事は予測できない。だからこそ自分で稼いで、自分で考えることが大事、というのは本質だと思います。

私が泣けたのは、逃げられない人や苦しんでいる人に「逃げていいんだよ」と何度も何度も言ってくれているから。これって、実際にそういう状況に遭った人でないと、なかなか想像できないし、理解できないものだと思うんです。だけど経験者だからこそ繰り返し言ってくれているんだと思います。自分とは境遇が違う、と思う事は簡単ですが、一瞬先は自分も同じかもしれない。だからこそこの本を読んで、「知恵」を持つことが大切だと思いました。私には娘はいないけど、姪っ子ちゃんに読んで欲しいなあ。そして母親にも読んで欲しい本だと思いました。すべての女の人にオススメしたい本です。

スポンサーリンク